歯肉炎で歯茎が痛む、
歯肉が腫れる
歯肉炎とは、歯肉が炎症を起こしている状態のことを指します。歯周病の前段階であり、これまで通りの口腔ケアを続けていると、悪化する可能性が高いと言えます。
歯肉炎の段階では、ほとんど症状がありません。
しかし、痛みや腫れといった症状が見られる場合もあります。こういった症状に気づいたときには、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯肉炎の歯茎の痛みをそのままに
しておくと…
歯肉炎から歯周炎(歯周病)へと進行すると、顎の骨の吸収が始まります。
一度溶けてしまった顎の骨は、特別な治療(歯周組織再生療法等)を行わなければ回復しません。そして最終的には、歯の脱落に至ります。
歯肉炎は、まだ炎症が歯茎(軟組織)に留まっている段階です。歯周炎(歯周病)へと進行するかどうかで、予後も大きく変わります。歯肉炎の痛みや腫れに気づいた段階で受診・治療することが、いかに大切であるかがお分かりかと思います。
歯肉炎はどのぐらいで治るの?
歯肉炎の段階であれば、適切な治療を行えば2~3週間ほどで治ります。
ここでいう適切な治療とは「歯石除去」と「丁寧なセルフケア」です。どちら一方だけでも欠ければ、治療は困難です。
歯石除去をしただけ、丁寧にセルフケアをしただけでは、歯周病へと進行する可能性がかなり高くなるということです。
自分で治すことはできない?!
歯肉炎を自分の力だけで治すことは、現実的にほとんど不可能だとお考えください。
先述の通り、歯肉炎に対する治療は「歯石除去」と「丁寧なセルフケア」がセットになっている必要があります。
歯科医院で歯石を除去してもらい、セルフケアの指導を受けることが大切です。
歯肉炎で痛い場合の
対処法・治療法
歯肉炎で痛いときのご家庭での対処法、歯科医院での治療法をご紹介します。
ただし、ご自身での対処によって痛みがひいた場合にも、後日必ず歯科医院を受診するようにしてください。
休息・睡眠
休息や睡眠が足りていない場合には、まずはその十分な確保に努めてください。
丁寧なセルフケア
痛みがある場合は、やわらかめの歯ブラシを使いながらも、丁寧に歯磨きを行い、お口の清潔を維持しましょう。デンタルフロスや歯間ブラシも併用してください。
洗口液の併用
口腔内を殺菌することで炎症と痛みを抑えます。洗口液にはアルコール系とノンアルコール系のものがあります。どちらが良いか分からない場合には歯科衛生士より適切な洗口液をお伝えさせていただきます。
歯科医院での歯肉炎の治療
主に、歯石取りとセルフケアの指導を行います。
セルフケアは、定期的に歯科衛生士にチェックしてもらうことをおすすめします。また、お口の状態も変化しています。当院では、そのときのお口の状態を把握した上で、適切なセルフケアの方法を指導いたします。
歯肉炎で眠れないときの応急処置
痛みで眠れないと、抵抗力が落ち、症状が悪化するおそれがあります。
以下のような応急処置で、しっかりと睡眠をとれるようにしてください。その後お早目に(できれば翌日に)歯科医院を受診しましょう。
市販の痛み止め薬
薬局やドラッグストアで市販されている痛み止め薬の使用で、痛みを抑えられます。
食事や睡眠に支障が出ている場合には、無理に我慢をせず活用してください。
適度な冷却
氷嚢、保冷剤をタオルで包んだもの、冷却シートなどで、頬の外側から歯茎を冷やします。
氷を口に含むような直接的な冷却は、冷やしすぎとなり、症状が悪化することがあります。